実践報告
モンテッソーリ教育
Maria Montessori(1870-1952)
シュタイナー教育が内からの力の育成をめざす芸術的な教育といえるのに対し、モンテッソーリ教育は、感覚と思考に比重を置きます。教育において感覚教具が効力を発揮します。もともとはこのメソッドは障害児教育の研究から発展。イタリアのスラム街の荒れる子どもたちに「知の爆発現象」を引き起こすことに成功しました。
シュタイナー教育ともにモンテッソーリ教育は、障害児教育を含む教育全般に大きな成果を上げ、世界的に注目されています。
共通するのは、子どもたちの興味に基づく集中・没入現象が起きている点です。
モンテッソーリ教育の実際
高根学園 YokohamaMontessori School (高根澄子理事長:横浜市)
The Hills Montessori School (副校長Ms. Susan Harris Evans,Adelaide, Australia)
富坂子どもの家 (勝間田万喜園長先生:東京都文京区)
見学の許可をもらいモンテッソーリ教育の実践を観察
3の累乗を積み木で考える3の累乗を図形で作る児童
ピタゴラスの定理:直角三角形の斜辺の2乗は、他の2辺の2乗の和に等しい。
ピタゴラスの定理:各辺を1辺とする四角形の面積を比べ、その定理の意味を考える。
かけ算の筆算:点、線、平面、立体で考えていく。
様々な五角形を学ぶ。普通は、正五角形とそれ以外だが、ここでは、不等辺不等角五角形(辺も角度もばらばら)、不等辺等角五角形(角が5つ等しい)、等辺不等角五角形(辺が5つ等しい)と、どこまでも思考を広げていく。正五角形の場合、一つの角は、120度。
熱の膨張の実験
水を入れた一升瓶に一円玉をのせ、膨張現象をみる。
みんなで手を温めて、ビンに触る。一円玉が空気の膨張で浮かび上がる。
気体の膨張、液体の膨張をみたので、つぎは、金属の膨張をみる。真鍮が通る輪と通らない輪の金属がある。真鍮を熱する。通っていた輪に、暖められた真鍮が通らなくなる。交互に体験する。
オーストラリアでは、一日の行動を、自分で計画し、計画の達成結果と作業の成果を終業時に先生に提出する。この児童の今日の作業は、「子どもとMobile Phoneとの関係」:モバイルフォンは、脳に癌を作る可能性があり、高価でもあり、子どもはもつ必要はない。
先生が時間毎の児童の活動をチェックし、内容や集中度を記録していく。
中生代の恐竜を調べる児童 食い入るようなまなざし。先生は質問に対して、サポートしていく。部屋の隅の方で、正確な日本地図の複写をする児童。
北海道の地図を正確に縮尺した→さらに本州に伸ばそう→その途中で、東日本大震災が起きた→現在、ほぼ日本地図全体を完成しつつある。県単位の区切りで描く。詳細な地図を自分で書いているため、震災時の地形を具体的に想像できた。